『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』についての考察-当代性?-
こんにちは、くらしです。
ミスチルとのこれまで
どのようなライブだったのか?
今回のライブは2015年の6月4日に発売されたアルバム、『REFLECTION』を受けてのスタジアムツアーという位置づけでよいかと思われます。
『REFLECTION』では、アルバム発売前にツアーを行うというミスチル史上初の試みの挑戦。その後、皆が曲を聴きこんでいる前提で行われたのがこのライブです。
ではまずセットリストの確認から。
〈セットリスト〉1 未完2 擬態3 ニシエヒガシエ4 光の射す方へ5 CHILDREN’S WORLD6 運命7 FIGHT CLUB8 斜陽9 I can make it10 忘れ得ぬ人11 and I love you12 タガタメ13 蜘蛛の糸14 REM15 WALTZ16 フェイク17 ALIVE18 進化論19 終わりなき旅20 幻聴21 足音~Be Storong〈アンコール〉22 I wanna be there23 overture24 蘇生25 fantasy27 innocent world28 Starting Over
ミュージック・ステーションでも披露された『未完』をはじめ、REFLECTIONから多数の局が演奏されていますね。また、『Tomorrow never knows』や『innocent world』、『終わりなき旅』といった往年の名曲まで披露されています。
このように、「これまでのミスチル」。そして「これからのミスチル」を示すようなライブだったと思います。
セトリの当代性?
Mr.Children(個人的にはよりミュージシャンとしての側面を強調したいときにはこちらの表記がしっくりきます)の音楽は、度々その時代のありようを映し出してきました。
例えば『LOVEはじめました』では、00年代の青少年問題として議論の中心にあった援助交際での一場面が描かれていますし、『もっと』はグラウンド・ゼロ、2001年に起こったアメリカ同時多発テロを受けて作られたものとされています。
このように、彼らの音楽はその時代と共にあったといえるのではないでしょうか。
まず、そこで思い出してもらいたいのは今回演奏された『ニシエヒガシエ』の映像とバンドメンバーによる観客を煽り立てるようなそぶりです。
二曲目の『擬態』が終わった後、ギターの田原さんをはじめ、メンバーが観客を煽り、手拍子を打つように誘導しました。
その手拍子を歓迎するかのように、特効が使われ、曲が始まるのです。
演奏中にスクリーンに映し出される映像の中では、
灰色の仮面をかぶって、皆同じスーツを着て武器を持って向かってくる者たち
vs.
様々な種類の動物を模した仮面をかぶり、カラフルな服に身を包み、手拍子をしてそれに立ち向かう者たち
が描かれていました。
僕にはこの映像が、この時話題になっていたある議論に対する、様々な反応を表しているようにも思えて仕方ありませんでした。
また、愛に関するMCを引き継いだ形で演奏された『タガタメ』。このライブが行われていた時期には、日本中がある少年が被害者になった事件に注目していました。
この日に聞いた桜井氏の叫びには、どこか悲しみが見え隠れしているように感じました。
もちろん、桜井氏は直接的に政治的発言をしているわけではありませんし、これはあくまで僕個人の感想です。
しかしながら、彼らがそこで響かせた足音は、確かに時代を捉えていたように感じました。